水虫は、白癬菌というカビの仲間が
皮膚にすみついて起こる病気です
ほうっておくと爪にまで菌が侵入し、ますます治りにくくなります。
水虫といえば男性の病気だと思われがちですが、患者さんの男女比は、ほぼ半々で実は年齢、性別に関係なく見られます。
水虫は白癬菌というカビによる感染症で、同居している家族に水虫の方がいらっしゃったり、靴を履いている時間が長かったりすると、 誰でもかかる可能性があります。
恥ずかしがらずに、皮膚科専門医による検査を受けてください。
冬場における水虫の対策
冬場症状が治まっても油断は出来ません。
白癬菌は気温が低くなると増殖が鈍り、このため治ったように感じます。けれども白癬菌はしぶとく皮膚の中に潜み続け、夏にむけてじっと出番を待っています。
白癬菌が活動を始める前のこの時期が治療には絶好のチャンスです。
爪白癬(爪の水虫)は身近な感染症
爪白癬(つめはくせん)は、爪の病気で一番多く見られるものです。
足の水虫と同様に、白癬菌というカビが原因で起こりますが、多くは足白癬がうつったもので、一般に痛みやかゆみなどはありません。爪白癬になると、爪の色が黒ずんだり白っぽくなったり分厚く変形し、やがてボロボロとくずれるようになります。
爪白癬の一番の問題は、感染源となって家族にうつしてしまったり、自分自身の水虫を治りにくくすることです。切った爪やボロボロと崩れ落ちた爪の中には白癬菌が生きたまま残っていますので、これらの菌が家族の方の足に付着して一定時間放置されますと水虫がうつる可能性があります。まずは、爪白癬かどうかを皮膚科専門医で正しく診断してもらうことが大切です。
加齢にともない爪が変色することはありますが、濁ったり厚くなることはありません。濁りや厚みの原因で一番多いのは、爪白癬です。
爪白癬は、60歳以上で40%の方がかかっているとされるほど、ありふれた爪の病気です。
しかし感染症ですからご家族にうつる可能性があります。し、ひどくなると、ご自身も靴が履きにくくなったり、歩く時に痛みが出たりします。
爪白癬がどうかは、皮膚科専門医による簡単な検査でわかります。
飲薬による治療も可能ですから、医師とよくご相談ください。
10年ほど前に爪白癬の治療に使われていた飲み薬は、白癬菌の発育を抑える働きしかありませんでした。そのため1~2年は治療を続ける必要があり、途中でやめてしまう方もいらっしゃいました。
しかし、5年ほど前に白癬菌を殺す働きを持つテルビナフィンなどの新しい飲み薬が出て、治療期間は大きく短縮されました。
個人差はありますが、目安としては1日1回、3~6ヶ月の服用で、最終的には7~8割程度の方にご満足いただけるようになっています。
皮膚科専門医にご相談の上、もう一度、新しい飲み薬で治療されてはいかかでしょうか。
爪白癬の飲み薬に限らず、どのような薬にものぞましくない作用(副作用)があります。一口に副作用といっても非常に重大なものから軽いものまでさまざまです。
爪白癬の飲み薬の場合、主な副作用としては、胃部不快感、下痢、悪心、腹痛などの消化器症状があげられますが、少数ながら肝機能に影響が見られる方、あるいは貧血などの症状を訴える方もいらっしゃいます。医師は予想される副作用を未然に防いだり、早期に発見できるように、投与前や投与中に定期的な血液検査を実施します。副作用が現れた場合でも服用を中止すれば回復します。
他の薬に変更するなどの対処をしますので、自己判断せずに医師にご相談ください。